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インドネシアでも2022年のラマダンが明日から始まる。街は徐々に静かに

2022_ラマダン_インドネシア

インドネシアに何回も来ている女性のツーリストと

「もうすぐラマダンになるね。」

という話をしていると、

「わたし、このラマダンの時の街の雰囲気が好きなの。日中は静かだけど、夕暮れになると、普段ない出店もあるし、なんか幸せな気分になるの。」

ということを言われて少しハッとした。

 

というのも、ラマダン中は日中を問わず閉まっているお店も多く、特に飲食店は、やっているのか、やっていないのか、わからないほど申し訳無さそうに空いている程度でご飯を食べるのもストレスになるからだ。

 

それが嫌でこのラマダンの時期はイスラム圏にツーリストがこないというのもある。

 

僕もどちらかと言えばサーフィン目的でインドネシアに来ているので、日中に定食屋やお店が空いていないのは非常に不便で避けたいと思っている。

 

でも、それでも人が少なかったり、街が静かになったりするので「ラマダンだからいい」っていう部分も確かにあって、むしろラマダンだからこそ旅行に来たほうがいいというのもある。

 

ラマダンをイスラム文化圏で過ごしてみると、自分がイメージしていたラマダンがけっこう違くてビックリしたこともある。

 

あなたが知っている「ラマダン」って?

そもそも僕が教科書以外で「ラマダン」の存在を知ったのは高校生の時だと思う。

 

たしかサッカーのWorldcupでイスラム系の国がラマダン中に試合をしないといけない、っていうのをニュースかなにかで知ったのだと思う。

 

記憶が確かではなかったので、よくよく調べてみると2005年のWorldcupアジア4次予選、勝てばWorldcup出場というバーレーンとウズベキスタンの試合がちょうどラマダン中に行われていた。

 

たぶんこの時の記憶があるんだと思う。(ちなみに日本人がレフリーでしかも、大きな審判ミスをしたことがニュースになったんだと思う。)

 

なぜ、この記憶が残っていたかと言うと、高校で部活をしていた当時の自分も1ヶ月くらい、ほぼ断食みたいな減量をしていて、多い時では10kgほど落として試合に出ていたからだ。

 

むろん10kgも落とすと筋肉が落ちて、頬もコケてくる。

 

パフォーマンスを最大限に発揮するのに最適なはずがない。

 

なので断食しないといけない中でWorldcup出場をかけた試合にでないといけない選手たちを不憫に思うのと同時に、90分という長い時間どう戦うのだろうと、興味をもっていたのだろう。

 

そして今、僕自身がイスラム教の文化が強い地域に住んでいて、結婚するためにイスラム教に改宗し(厳密にはまだしてない)、「ラマダン」と一緒に生活することになっている。

 

イメージと言葉ばかりが先行してしまい、「実際のラマダン」がどのようなものなのか、興味がある人も多いと思うのでレポートしていこうと思う。

 

そもそもラマダンとは…

地域によって「ラマダン」、「ラマダーン」、「ラマザン」、「ラマザーン」という読み方をすることがあるが日本語で言えば『断食月』である。

 

そう、ラマダンは断食月であって、断食そのものを指す言葉ではない。

 

ちなみに僕も「ラマダン=断食」と勘違いして僕も使っていたが、断食そのものはイスラム教では「サウム」といいインドネシア語では「プアサ」というらしい。

 

ちなみに断食といっても「1ヶ月まるまる食べない」というわけではなく、日没後〜翌日の日の出の太陽が出ていない時間に食事することは許されている。

 

なので、1日あたり厳密にいうと12〜14時間ほどの断食となる。

 

「なんだ、半日の断食なんて大したこと無いじゃないか。」

と思う人もいるかも知れない。

 

でもこの南国の地において、なにも飲むことは許されず、また厳しい人は自分の唾液さえも飲んではいけないとしている人もいるらしい。

 

それから、「断食」というのはラマダンのたった1部であり、禁止事項はそれ以外にもある。

 

断食だけじゃない。ラマダン中、食事以外に禁止されていること3つ

ラマダンと言うと「断食」のイメージが強いが、話を聞いてみるとそれだけじゃないようだ。

どうやらあらゆる欲は禁止されているらしい。(これも断食ド同様で、日中のみらしい。)

性的欲求すべて

ラマダン中は夫婦や交際相手であってもSEXどころかキスや触れ合うことも知てはいけないらしい。

もちろん性的欲求すべてなので自慰行為も禁止されているらしい。

ちなみに、僕の知り合いのドイツ人女性とインドネシアのムスリム男性はラマダン中に「キスもできないなんて!」ということが発端になって別れている。

 

タバコ・アルコール・ドラッグ類すべて

「え?そもそもイスラム教ってアルコール禁止なんじゃ?」という人は正しいが、実際はアルコールを飲んでいるイスラム教徒はインドネシアにたくさんいる。

 

昼間にアルコールを飲まないくらいなら我慢できる人も多いと思うが、男性でタバコは吸っていない人はいないくらい喫煙はふつうのコトなので、タバコを吸わないことのほうが大変そう。

 

喧嘩をしてはいけない

喧嘩はいつだってしないほうがいいが、やっぱり交通渋滞に巻き込まれたり、トラブルに巻き込まれたりするとイライラしがちになってしまう。

「喧嘩をしてはいけない」という制約が頭の中にあることで、相手を許したり、自分のエゴを抑えたりすることができる。

もちろんこれは、僕が知る限りなので、もっとあると思う。

 

でも、これらの全ての禁欲は他人に強要されるものではない

宗教に関しては同じ宗教の中でもややナイーブで、考えや解釈が違ったりする。

 

ナイーブであるうえに、職業やその人の日常生活によっても変わるので、だれかに自分の考えを述べることはあってもけっして強要することはない。

 

例えば、断食ひとつにとっても、我慢ができなければ隠れて食べたり飲んだりすることは許されている。

 

もっといえば小さな子供や妊婦や体力のない人や病気の人には断食が逆効果だったりするので、「断食する必要はない」と寛容であったりもする。

 

地域住民がみんなイスラム教徒だと、まわりの目が気になることはあるが、それでも個人の意志や生活が優先されることには変わりはなく、ラマダンと言っても人それぞれで過ごし方は違う。

 

実際のラマダンは苦行と言うよりもピースフル。

ラマダン中は、禁欲をしたり、生活を見直す機会であったり、詳しくはコーランに書いてあるらしいのだが、そのコーランの解釈も人それぞれななので、過ごし方はさまざまだ。

 

上記で説明したとおり、ラマダンと言っても人それぞれで過ごし方は違う。

 

禁欲をすることが大事であっても、結局は食事はしないといけないので、食べ物を手に入れないといけないし、家賃があれば払わないと生活できない。

 

ただ、断食をしているからこそ、食事のありがたみがわかるし、そもそも生活できることへの感謝の気持ちも芽生えてくる。

 

「断食=修行」というイメージがあるが、それよりも「ラマダン=平和」であり、ラマダンを楽しんでいるというのがイスラム教徒の人たちの感覚っぽい。

 

 

ラマダンをやって変わること

まだやっていないので、去年ラマダンをいていた友達の変化を伝えたい。

 

1ヶ月たつと、みんな肉体が引き締まってる。

ラマダンが始まる前までは、アルコールをたらふく飲み、幼児体型というかおっさんの体になってしまった友達に腹筋が戻ってきたのをみて驚いた。

 

しっかり断食している人は、余分な贅肉が削ぎ落ち、肌に艶も戻ってきている。

 

なのでラマダンは1年に1回、健康な体を取り戻すために本当に効果的なんだと思う。

 

ただ、ラマダンが原因で太る人もいるようだ。

 

ピースフルになって「感謝」できる。

「いただきます。」っていうのは、命をいただきますとか、作ってくれたことに感謝の意を込めた言葉だったりするけど、その言葉の重みをわからずに発していることも多い。

 

ラマダンをしている人は、食べることにありがたみを感じているのがわかるし、実際に断食月中の人からはそのコトをよく聞く。

 

謙虚になる、慎ましくなる。

我慢をすることによって、いかに不満や怒りが自分の「エゴ」からきているのがわかるのだそうだ。

 

欲を禁止することで、自分がいかに恵まれていて、恵まれているのにも関わらず「もっと欲しい、もっと欲しい」という強欲な感情が自分を不幸にしていることにも気がつける。

 

仏教では「中庸」という言葉があるが、行き過ぎた欲や考え方、習慣をリセットするチャンスがラマダンなのだろう。

 

ラマダンの季節が毎年違う理由

最初にも書いたがラマダンが10月の年があれば、今年のように4月にラマダンが行われることもある。

 

それはイスラム教は純粋太陰暦(ヒジュラ暦)を使っており、僕らが普段使っている太陽暦のカレンダーとは異なるからだ。

 

純粋太陰暦のイスラムカレンダーの1年は354日で太陽暦(グレゴリオ暦)のカレンダーより10日間短い。

 

なので、純粋太陽暦のカレンダーを使っているとイスラムカレンダーは毎年10日間ずれることになる。

 

ちなみに中国のルーナルカレンダーとも言われる太陰暦は太陽太陰暦とよばれるもので、季節の調整が行われている。

 

だから中秋の名月はだいたい10月で、中国の旧正月もだいたい2月ごろと季節がずれない。

 

しかし、イスラム教の純粋太陰暦は毎年10日間ずれる計算なので、2021年のラマダンは4月12日から始まり、2022年のラマダンは4月3日からのスタートとなる。(国や地域、または日付変更線の影響で数日ずれることもあるようだ。)

 

2023年のラマダンはさらに10日はやくなり、3月22日〜4月21日。

2024年のラマダンは3月10日〜4月9日となる。

 

そして、僕が初めて知った2005年のラマダンは10月4日だった。

 

ラマダン中のインドネシアはおすすめ

日本大使館からは「ラマダン中は犯罪が増加するので気おつけてください。」なんて通達が来るものの、ラマダン中のインドネシアはどっちかというとピースフルで、少しお祭りっぽさもある。

 

むしろ、未知で溢れたイスラム教のコトを知ったり、少し健康的な体と精神を手に入れるためにもラマダンを体験するのはいいかも。

 

ということでラマダン中のインドネシアによかったら来てください。案内します。

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