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ほぼ100%が独占!世界の水力発電率国別ランキングTOP10 「普及率の問題も…」

世界の電力発電では、環境を考慮し、地球温暖化の原因となる火力発電から脱却することを迫られています。

 

しかし、まだまだ化石燃料による発電が多いのが現状です。

 

こちらは「全世界の発電割合」です。

 

近年、再生可能エネルギーが注目されていますが、二酸化炭素を排出しない発電として水力発電も貴重な発電力です。

 

世界的に見ると水力発電は約17%という割合ですが、水力発電比率を国別に見ると上位10カ国はほぼ100%でした!

 

水力発電のみで、1つの国の電力が100%まかなわれている、って驚きませんか?

 

そこで今回は、今後も重要な電力となる世界の水力発電率の上位10カ国の特徴をみていきましょう。

 

114位 日本

水力発電比率:7.94%

 

水資源に恵まれた日本では、安定的に発電ができること、発電量の調整が行なえるといった特徴があり、明治時代から水力発電が利用されています。

 

 

日本の発電比率はご覧の通り、火力発電が大部分を占めていて、水力発電は7.94%です。

 

水資源が豊富と言われる日本も水力発電は後進国であることがわかります。

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

 

1990年代前半までは10%以上の発電率がありましたが、さまざまな理由から多くのダムが休止しているため以前に比べると発電比率は減少しています。

 

割合は低いですが、エネルギー自給率の低い日本にとっては水力発電は貴重なエネルギー資源です。

 

日本では、一般水力発電所に関して、開発可能と判断するような新規地点は無いといわれています。

 

しかし、再生可能エネルギーとしても注目され、新たな事業者が比較的小規模な水力発電所を設置する動きも進みつつあるそうです。

 

10位 タジキスタン

水力発電比率:96.69%

 

タジキスタンでは、電力総発電量が17.03TWhのうち

  • 水力発電量 16.47TWh
  • 火力発発電 0.56TWh

という構成で水力発電比率が世界で10位です。

 

世界一高いヌレークダム、サングトゥーダ・ダムなどで96.69%の電力を生み出しています。

 

水力資源に恵まれているのですが、冬には水が足りなくなることに加え、インフラが整っていないため電力不足に陥るそうです。

(大都市を除く特定の地域では電力供給が1日4時間未満に制限される場合も。)

 

 

小さな火力発電所で約3%の発電をしていますが、ウズベキスタン、トルクメニスタンから電力を輸入して冬の電力不足をカバーしています。

 

 

料:GLOBAL NOTE 出典:EIA

 

1992年から95%以上を水力発電が占めていますが、実はまだ開発が十分でないため潜在能力の約5%しか使用されていないそうです。

 

タジキスタンは世界の水力資源の4%、中央アジアでは53%を占める水力資源を持っています。

 

とても大きな水力発電の可能性を秘めている国です!

 

そして、2030年までにエネルギー自立を達成することが目標に掲げられています。

 

そのため、最近では国内の水力発電所の修復、稼動を再開、新たな地域の水力発電の建設など積極的な取り組みがされています。

 

まだ利用されていませんが、太陽光エネルギーにおいても高いポテンシャルがあると言われています。

 

インドと再生可能エネルギー分野で協力をするという協定も結ばれているので、ますます水力発電と一緒に再生可能エネルギーが発展していく可能性があります。

 

9位 ノルウェー

水力発電比率:96.80%

 

ノルウェーは水力発電が世界で9番目に多い比率を誇る国です。

 

水力資源しかないというわけではなく、ヨーロッパの石油埋蔵量60%、ガス埋蔵量50%を保有する資源大国でもあります。

 

ノルウェーの石油や天然ガスは主に輸出用です。

 

 

 

天然ガスの生産量は世界でもトップクラスですが、国内の火力発電はわずか1.7%!

 

さらに最近では地熱、風力、太陽光などの再生可能エネルギーも積極的に取り入れられていますが、国内の電力消費量はほぼ100%を水力発電で賄われています。

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

過去には100%近かった比率も再生可能エネルギーも導入されるようになり、数%減ったと見られます。

 

ノルウェーは資源大国でもありますが、国内の電力を水力発電で賄っているのはすごいですね!

 

そしてこちらは「Øvre Forsland(ウーヴレ・フォシュラン)」というノルウェーの水力発電所です。

 

出典:Youtube

ノルウェーではエコであることだけでなく、2015年には見た目にも美しい水力発電所が作られ、発電所目当てで多くの観光客が訪れる名所になっています。

 

ノルウェーの著名な建築家集団によって作られ、自然の風景に溶け込むスタイリッシュな水力発電所。

 

最近は発電所もデザイナーズの時代なんですね。

 

8位 マラウイ

水力発電比率:98.59%

 

マラウイの国土は、約4分の1をマラウイ湖が占め、大部分が標高500~1200mの高原地帯と標高 2500~3000mの山地です。

 

マラウイで水力発電が導入されたのは1970年ごろで、現在では7つの水力発電所があります。

 

その大部分は、南部地域のシャイア川というところにあります。

 

 

国内の98.59%が水力発電によって行なわれ、火力発電は1.4%です。

 

1990年代~2000年代はじめには火力発電も15%前後あった時期もあります。

 

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA

 

今後、2020年、2022年、2025年と3つの水力発電所が完成予定です。

2021年には太陽光発電所の完成予定も。

 

今後もマラウイでの水力発電や太陽光発電量が増えていくでしょう。

 

7位 ネパール

水力発電比率:98.85%

 

ネパールにもとても豊富な水力資源があり、水力発電が主流となって98.85%の発電がされています。

 

しかし、人口約40%しか電気が利用できなかったり、乾季になると電力不足が深刻な問題になります。

 

過去数年も1日18時間停電するという状況が起こっていました。

 

 

1990年代には石油系燃料を輸入し火力電力も利用されていましたが、2016年のデータでは火力ではなく、再生可能エネルギーが利用されています。

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

98.85%の発電が水力によって行なわれていますが、ネパールの水力発電はまだまだ可能性を秘めているため開発プロジェクトも進められています。

 

チベットの国境近くにも国内最大の水力発電所がほぼ建設完了しており、2019年末に稼動開始を目指しているようです。

 

国内の水力発電能力が大幅に拡大される見通しです。

 

2019年には3つの発電所が完成予定があり、2020年、2022年にも水力発電所の完成予定が続いています。

 

ネパールでの水力発電量はますます増えていきますね!

6位 中央アフリカ

水力発電比率:99.18 %

 

現在も紛争の影響によって混乱が続いている中央アフリカでは、安定しない治安の下で生活をしている人々がいます。

 

そんな中央アフリカには、2つの水力発電所があり99.18%の発電をしています。

 

 

国内電力総発電量のうち、

  • 水力発電が99.18%
  • 再生可能エネルギーは0.23%
  • 火力発電は0.58%

という割合です。

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

2013年ごろから一気に水力発電が増え、火力発電は減少しました。

 

水力発電に恵まれているから電力には困っていないかのように見えてしまいますが、実際に電力が利用できているのは人口のわずか14%です。

 

インフラや貧困の問題で電気が使えないという中央アフリカの問題も見えてきてしまいます。

 

しかし、電力を普及させるためにも、国内では3つ目の水力発電所、ボアリⅢ水力発電所が建設中です。

 

また、中央アフリカ共和国は、水力や太陽光などの再生可能エネルギー資源の利用を拡大する計画を明らかにしています。

 

5位 コンゴ民主共和国

水力発電比率:99.58%

 

アフリカ大陸の真ん中にあるコンゴ民主共和国は、アフリカで2番目に広く、日本の約6倍の国土を持つ国です。(人口は約8134万人)

 

「インガ・ダム」というコンゴ最大の水力発電所があり、首都キンシャサの電力をこのダムでまかなっています。

 

 

国内では99.58%が水力発電によるもので、他、再生可能エネルギー発電比率0.28%、火力発電比率0.15%という割合になっています。

 

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

長年99%の発電によって首都の電力が賄われていますが、実はインガ・ダムにはアフリカ地域全体の電力を供給できる力があると言われています。

 

2018年6月には「Zongo II」という水力発電所のプロジェクトが正式に開始されたり、他にも工事中や建設が決まっているダムや発電所があるので、さらに水力発電は増えていくでしょう。

 

また再生可能エネルギーでは、太陽光発電システムが全国規模で導入される可能性も高いようです。

 

コンゴには多様な天然資源があり、水力、風力、太陽エネルギーを大幅に増加されることも期待できます。

 

4位 ブータン

水力発電比率:99.95%

 

国内の水力発電比率が99.5%と限りなく100%に近いブータンでは、高度な山が連なるヒマラヤの斜面を生かした水力発電を行なっています。

 

ブータンの国内電力消費量は2.18TWh、総発電量は水力発電による7.88TWhです。

 

水力による発電量はブータンの国内需要を大幅に上回り、隣国のインドへ輸出されています。

 

ブータンの最大の輸出商品は電力です。

 

 

電力輸出はブータンにとって貴重な収入源になり、政府収入の約半分を占めていると言われています。

 

しかも、現在の水力発電の開発はまだ5%にしかすぎず、まだまだ高い可能性を秘めているそうです。

 

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

政府は2020年までに総計1000万kWの水力発電所の建設計画や化石燃料の輸入を大幅な削減を目指しています。

 

プナカという場所には水力発電所が建設中ですし、電気自動車の充電スポットを全国的に導入し、2016年には風力発電機も設置されました。

 

電力の輸出はインド以外にバングラディッシュにも輸出計画があるとされ、今後もますますグリーンな成長が期待されます。

 

再生エネルギー100%にしながら経済成長も実現するグリーン成長のモデル国としても見られています。

 

3位 アルバニア

水力発電比率:99.97%

 

アルバニアの電力消費量5.11TWh、電力総発電量は水力発電の7.14 TWh。

 

山の地形を生かした水力発電が支えており、総発電量の99.97%を占めています。

 

 

アルバニア北部にある国内最大の河川には3つの水力発電所があり、ここだけで国内の電力生産量の90%を発電しています。

 

これまで水力発電は、施設の老朽化などによる電力不足が起こり長期停電なども起きていました。

 

しかし、新規水力発電所の建設、送電線の修復などが進み都市、地方での長期停電は起こりにくくなり、昔に比べてより100%に近くなりました。

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

 

アルバニアの水力発電は、潜在能力のまだ30~35%しか開発されていないと言われています。

 

2020年にはエネルギー需要が60%増加するとも予想されていて、国内の発電量も強化する必要があるそうです。

 

アルバニアは、水力だけでなく、太陽光、地熱、風力と天然資源にも恵まれています。

 

水力、太陽光、風力などの導入で、さらに再生エネルギーでも電力供給を強化できるようになるといいですね。

 

2位 パラグアイ

水力発電比率:100.00%

 

パラグアイは、ブラジル・アルゼンチン・ボリビアに囲まれている内陸国で、国土は日本とほぼ同じぐらいで、約667万人が暮らしています。

 

国境線にあるパラナ川に、「イタイプー・ダム」(ブラジルと共有)、「ジャスレタ・ダム」(アルゼンチンと共有)があります。

 

イタイプーダムは20機の発電機がありますが、パラグアイとブラジルで10機ずつ利用しています。

 

 

 

パラグアイでは、保有するイタイプー・ダムのたったの2機で国内電力需要の80%を賄っているんだそうです。

 

(ヤシレタ・ダムで残り20%を賄っている)

 

イタイプー・ダムの最大出力は1400万キロワット。

 

日本最大の水力発電用ダムの多々良木ダム(兵庫県)は最大出力193万キロワットなのでケタ違いの規模だということが分かります。

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

 

残りの8機によって発電された電力は、すべてブラジルへ輸出されています。

 

つまり、パラグアイは純粋に水力発電のみで国の電力需要を満たしているということになります!

 

1位 レソト

水力発電比率:100.00%

 

レソトという国は、国土が南アフリカの中央付近にある珍しい形の内陸国です。

 

その国土面積は、九州よりも小さいくらいだそうです。

 

世界遺産のドラケンスバーグ山脈の山中に位置するため、全土が標高1400m超えで平地がありません。

 

そんなレソトでは、水力発電が100%です。

 

レソトでは昔から水力発電に栄えていたわけではありません。

 

水力発電が行なわれるようになったのは、1998年にムエラ水力発電所が建設され、まだ約20年のことです。

 

このダムが建設される前は、電力を輸入することに依存していた国でした。

 

 

資料:GLOBAL NOTE 出典:EIA 

水力発電が行なわれるようになってからは、水力発電100%によって国内の電力需要を満たしています。

 

しかし、レソトの人口200万人のうち28%しか電気を利用できません。

 

農村部ではわずか5%です。

 

国家政策として2025年までに再生可能エネルギーの発展も目指しています。

 

水力を始め、風力、太陽光、といった再生可能エネルギーでも十分な資源を持つ国です。

 

太陽光発電システムの導入のための動きが強まっています。

 

現在は水力発電100%ですが、今後は他の再生可能エネルギーによる発電も増えていくと思われます。

 

まとめ「発電率100%でも普及率の問題は別」

 

なんと言っても、「水力発電だけでほぼ100%」という国がこんなにもあることに驚きました。

 

しかし、、ほぼ100%が水力発電と言っても、国民の14%しか電気を使えなかったり、電気不足による停電に悩まされている国があるという別の問題を抱えていることも確かです。

 

また、これまで電力を輸入に頼っていた国が、水力発電所の建設により、国内の発電をほぼ100%にしているのはすごいですね!

 

さらに水力発電所の建設計画が進んでいたり、完成予定がある国も多くあるので、水力発電・再生可能エネルギーがどれだけ経済発展をもたらすのか、楽しみですね。

「水力発電は再生可能エネルギーじゃない!?」6種類の再エネとは? >

日本は世界4位!再生可能エネルギー発電量国別ランキングTOP10 >

 

世界の水力発電割合 国別ランキング・推移 – Global Note
https://www.globalnote.jp/post-3730.html
Tajikistan_Energy_Situation|energypedia
https://energypedia.info/wiki/Tajikistan_Energy_Situation
Energy_in_Malawi|wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Energy_in_Malawi
Energy consumption in the Central African Republic
https://www.worlddata.info/africa/central-african-republic/energy-consumption.php
ネパール再生可能エネルギー
http://nepalrenewableenergy.com/
IHA International hydropower association
https://www.hydropower.org/
Central African Republic
https://www.se4all-africa.org/seforall-in-africa/country-data/central-african-republic/

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