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呼吸から見るミトコンドリアDNAの3つの働き「酸素の吸収よりも重要なのは、二酸化炭素の排出?」

動物に酸素が必須になったのは、真菌類になりミトコンドリアDNAを持つようになってから、と前回の記事で説明したが、今回はもう1段階掘り下げていきたい。

 

「ミトコンドリアDNAは、なぜ酸素を必要とするのか?」というのがこの記事を読んでいくとわかってもらえるだろう。

 

そして、矛盾しているようにも聞こえるかもしれないが、「少ない酸素で生活できることがなぜいいのか?」についても理解してもらえると思う。

 

呼吸からみたミトコンドリアDNAの3つの働き

ミトコンドリアには未だ不明な点が多く、解明されていないことがたくさんあるみたいだ。

でも、少なからず解明されている、呼吸の部分について調べたことをシェアしていく。

 

酸素を吸収する。

僕たちは、肺で呼吸をして酸素を吸収しているが、その吸収された酸素の約95%が最終的に、ミトコンドリアDNAに吸収されて使用される。

 

前回、呼吸の進化過程でも紹介したように、もともとは直接、皮膚呼吸(細胞呼吸)でミトコンドリアDNAは直接酸素を吸収していた。

 

僕たちが呼吸をしているのはミトコンドリアDNAに酸素を供給するためである。

 

酸素がクエン酸回路でATP(エネルギー)を生産。

そして、ミトコンドリアDNAに吸収された酸素はブドウ糖や脂肪酸に化学反応をおこし、エネルギーとして消費しやすいATP(アデノシン三リン酸)という栄養分に変換する。

 

この工程をクエン酸回路(TCA回路、クエン酸サイクル)とも呼ばれている。

 

ちなみに、このブドウ糖や脂肪酸が酸素によって酸化、還元を繰り返すことで二酸化炭素が発生し、これを僕たちは肺から吐き出している。

 

ATPを使っているから、心臓は24時間休まず動き続けられる。

ATPは筋肉を使うのに必須なエネルギーである。

そして、人間が1番使っているのが24時間、絶え間なく動き続けている心臓だ。(心臓は1日10万回、で生涯で20億回もの伸縮を繰り返す。

 

人間の心臓を作る細胞(心筋細胞)には1つの細胞に2つのミトコンドリアDNAが入っており、より多くのATP(エネルギー)を生産できる。

 

さらに、心臓が24時間休まず動き続けることができるのも、血液のダムでもあり、ATPを常に供給されやすい臓器でもあるため、動き続けることができると言われている。

 

2倍のミトコンドリアが集中する心臓の『老化』

そして、もう1つ調べていて面白いと思ったことをシェアしておきたい。

 

成長しきった心臓の細胞は、死ぬまで使われ続ける。

 

つまり、心臓の細胞は使い捨て方式であり、細胞が古くなったとか、傷ついたとかいう理由で再生しないのだ。

 

通常、僕たちの細胞は、分裂機能を持っているので、細胞が古くなったり、傷ついたりすると、細胞分裂をして修復してくれる。

 

しかし、心臓を作って「心筋細胞」は分裂機能をもっておらず、死ぬまでずっと同じ細胞が使われ続ける。

 

この意味がわかった人は、ふだんまったく気にかけていない「心臓」という臓器が、あまりにも繊細であることを理解しただろうか。

 

心臓が止まれば、もちろん生命も、終をとげる。

 

※ちなみに成長しきった脳細胞や神経細胞も分裂機能をほぼもっておらず、細胞が破壊されると修復されることはないらしい。

 

ミトコンドリアへの負担は心臓への負担

心臓の細胞には2倍のミトコンドリアが入っていることは、なんども伝えているが、ミトコンドリアは

  • 虚血
  • 脂肪や糖の過負荷

が、かかるとミトコンドリアじたいが酷使され、最終的には細胞死を招いてしまう。(心不全)

 

つまり、ミトコンドリアへ負担をかけることは命そのものである心臓にも負担をかけることにもつながっている。

 

心臓の寿命は20億回の鼓動が終わった時…

少し前にベストセラーとなった「ゾウの時間ネズミの時間」という本では、哺乳類の心臓の寿命について面白い見解がされている。

 

結論からいえば、哺乳類は20億回、心臓が鼓動を打つと、だいたい寿命になり死を迎えるということだ。

 

このことは心筋細胞は新陳代謝がおこなわれず、使い捨てであることからも納得がいく。

 

そして、もう一度いうが、サイズの違うゾウやネズミであっても生涯で心臓の鼓動回数は、ほぼ一定で20億回。

 

そして、さらには心臓は呼吸とも連動しているので、呼吸を5億回繰り返す頃に、動物は寿命を迎えることになる。

 

つまり、速く呼吸をしてしまっている人は、それだけ心臓に負担をかけてしまっているので、寿命を縮めることにもつながっている。

 

ますます早くなる呼吸

ここで日常生活を思い返して欲しい。

 

ストレスによって、呼吸の回数が早くなっていることはないだろうか?

 

緊張しており心臓の鼓動回数がやたらに多いことはないだろうか?

 

そして、太っている人を見た時に、息苦しそうにゼーゼーと呼吸している人はいないだろうか?

 

老化が進んでいるおじいちゃん、おばあちゃんを見た時に呼吸が浅くはやくなっていることにきがついただろうか?

 

ストレスや不摂生になると、呼吸はドンドンあさくなり、早くなる。

 

そして、老化によっても同じことが起こる。

おじいちゃん、おばあちゃんの呼吸をみていると、脈がはやく、呼吸が早いこともわかる。

 

そして、呼吸が浅くなるから息苦しさを感じ、さらに不快感を感じイライラしやすくなってしまう。

 

もし、あなたが呼吸エクササイズの恩恵をしっかり実感できているとすれば、ゆっくり呼吸をして、心臓の鼓動をゆっくりして、快適な生活を送ることを伝えられる。

 

実は「少ない酸素で生活できれば、鼓動はもっとゆっくりになる」

そして、もう1つ重要なお知らせがある。

 

ここまでいかに、酸素が重要であるか、ミトコンドリアに酸素を届けて心臓に負担をかけないことが重要かをつたえてきたが、まったく逆の話だが重要な話をしたい。

 

それは、「酸素が少ない状態で生活できるとより快適に生活できる」という事実だ。

 

例えば、

  • 酸素の薄い高地でトレーニングを行ったランナーは、少ない酸素量で走れるから疲れにくい。
  • 標高1000~3000mの高地民族は心疾患や高血圧の割合が低い。
  • 血液中の酸素濃度が低下すると赤血球が増加して酸素の運搬力が増える。

というように、酸素の薄い環境でトレーングしたり、生活すると、日常生活でより快適に過ごしやすくなる。

 

ちなみに、低酸素条件下というのは日常でも簡単に作り出すことができる。

 

その具体的な方法は、『呼吸最適化プログラム』の後半で伝えている。

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