「寝ながら瞑想して悟り開けるなら、誰も苦労しない!」
という人には、この寝たまま瞑想する釈迦の姿を目に焼け付けて欲しい。
そのへんのヨガマスターやお葬式のときにだけ表れて高額のお布施をいただいて帰るお坊さんに言われるならともかく、
5億人以上ものフォロワー(世界の仏教徒の数)をもつスーパーインフルエンサーの釈迦(ブッダ)だって、この様子。
もし、頭にこんなにたくさんのイボイボがついていなければ、居間で寝っ転がりながらテレビを見ている暇人となんらかわらない風貌である。
スーパーインフルエンサーの釈迦が言うのであれば、寝ながら瞑想してみてもいいとは思わないだろうか?
ちなみに僕が瞑想をやってみた体験談も以下の記事でレビューしている。
寝ながら瞑想は本当に効果ある?
ヨガやマインドフルネスにおいては寝て瞑想することは効果があると言われている。
体感的な効果でいえば
- 頭が冴えてスッキリする
- 集中力が増す
- 心も穏やかになる
- リラックスできて熟睡できる
- 自分の心の状態を認知できる
- 体の状態を認知できる
であり、科学的な実験や研究からわかっている効果は
- 危険に対して効果的な対処がとれるようになる
- がん、心血管疾患、アルツハイマーに関する遺伝子の現象
- 思いやりのある行動を取る人が増加する
などがある。
しかし、「仏教的に言えば、効果ない」といえる。
そして、ここでさっきついた嘘について謝らせていただきたい。
この寝釈迦の画像を見せてブッダだって寝て瞑想していると言ったが、あれは正しくは「涅槃仏(ねはんぶつ)」と言って、釈迦が入滅した(死んだ)時の姿を銅像にしたものである。
つまり、瞑想しているのではない。
ちなみに頭は北に向いており、これが死んだ人は北に寝かせる「北枕」の由縁ともなっている。
話が長くなりそうなので、まずは寝て瞑想することが効果ある派のヨガとマインドフルネスについて説明したい。
次に仏教ではだめな理由を説明する。
そもそもヨガ、マインドフルネスでは寝ながら瞑想する方法がある
ヨガやマインドフルネスをやる方法の中に寝ながら瞑想をする方法がそもそもある。
ヨガでは「シャバーアーサナ瞑想(別名:屍のポーズ、亡骸のポーズ、死者のポーズ)」、マインドフルネスでは寝ながら行う「ボディースキャン」という瞑想法がある。
その方法は記事の後半で紹介するので、そこだけ知りたい人は、途中の内容はスキップしてもらえばいい。
なぜ仏教では「寝ながら瞑想することが良し」とされないのか?
ヨガやマインドフルネスの他にも、いろいろなカルト宗教や密教的な仏教を調べれば「寝て瞑想しなさい」というのはあるかもしれない。
しかし、日本では瞑想=坐禅というくらい座った状態での瞑想が定着しているように、坐禅にでは、「姿勢はマジ重要。寝るとかありえへん!」というスタンスである。
もし、あなたがお寺に言って寝ながら瞑想しようものなら、お仕置き棒(心が乱れているとペン!とお坊さんが後ろから叩く棒)で滅多打ちにされるかもしれないからだ。
ちなみに、このお仕置き棒を専門用語で「警策(けいさく/きょうさく)」という。
↑アマゾンでワンクリックで買えるこの警策であるが、なんと、単なる木の棒であるにも関わらず、値段が◯◯◯◯円もするのだ!
なんともありがたい棒である。
一発食らうごとにご利益がありそうだ。
話がそれてしまったうえに、長くなってしまったので結論を短く伝えると、
この姿勢は、
正しい心の状態を得るための手段ではありません。このような姿勢をとること、
そのものが正しい心の状態なのです。なにか特別の心の状態を得る必要はありません。
というのがスティーブ・ジョブズも教えを受けたことがある鈴木大拙氏の言葉である。
そして、あなた自身もこのことを体感したことあるはずだ。
例えば結婚式などの式典で、パキッパキのスーツを着たり、おしゃれなドレスにハイヒールをはくと、自然と背筋がビシッとのびて、心も強い自分に慣れた気がする。
お気に入りの洋服をきれば自然と背筋が伸びて、気持ちもそれにあわせてついてくる。
逆に家に帰ってきて正装から部屋着に着替えると一瞬で姿勢がグニャグニャになってしまう。
これは姿勢と心がリンクしていることがわかる一例である。
そして、ヨガやマインドフルネスでは、心や体をリラックスさせるために瞑想をするが、仏教の瞑想は修行の一部であり、正しい心は修行で手に入れるという考えが根本にはある。
だから仏教では寝ながらの瞑想なんて言語道断であるのだ。(たぶん。)
そして次に、瞑想のやり方を説明する前に、寝ながら瞑想をするメリットを十二分にお伝えしたい。
もちろんデメリットも知っておかないと大変なことになるかもしれない。
寝ながら瞑想する3つのメリット
- 体調が悪い時でも無理せずできてスッキリする
- 楽なので継続しやすい
- 睡眠障害だった僕でも寝られるようになった
個人的に良かったと思う寝ながら瞑想をするメリットベスト3はこのようなものである。
僕の体験談はコチラから↓
体調が悪い時でも無理せずできる
特に体調が悪いときや疲れがひどい時は坐禅の姿勢をたもつことすら苦痛に感じる。
そんな苦痛を感じた状態でリラックスなんて、もちろんできっこない。
しかし、寝ながらであれば、姿勢のことを一切考えずただ脱力すればいいだけなので、体が疲れていても、だるくてもできる。
しかも、やると毎回感じるのはたった10分寝ながら瞑想しただけなのにまるで熟睡したあとのようなスッキリ感を感じることができる。
睡眠不足で体が眠い時には10分寝ながら瞑想するだけで熟睡したときのように頭がスッキリするし、疲れが取れる点が特に最高だ。
楽なので継続しやすい、習慣化しやすい
「しっかりやらないと…」
そんな風に感じてしまうと、瞑想をやることがストレスになってしまう。
(ちなみに僕はズボラであるが、それでも途中から瞑想がストレスになるのを感じた。)
だから特に完璧主義な人ほど、しっかりできないんならやらないほうがマシだとか、しっかりできない自分が嫌になるからやらない、というふうになってしまう。
でも寝ながらは、どんなずぼらにでもできるし、むしろ気持ちいいからやりたくなってしまう。
結果、寝ながらの瞑想は、瞑想を習慣化しやすい。
僕が瞑想を習慣化した方法は以下の記事で詳しく紹介している。
睡眠障害だった僕でもスッと眠りにつくことができた
夜寝る前に寝ながら瞑想することも、かなりおすすめしたいメリットの1つだ。
特に僕はこんな症状だったが
- 鼻が詰まって眠れない
- イライラした感情に気を奪われて眠れない
- 仕事が頭から離れずに眠れない
寝る前に寝ながら瞑想することで、そのままスッと眠り込むことができるようになった。
寝るのに困っているのであれば、または睡眠薬がきかないと感じるのであれば、ぜひ寝ながら瞑想を試してみてほしい。
効果はバツグンだ。
寝ながら瞑想する2つのデメリット
- 寝落ちしてしまう
- 体の力が抜けずにリラックスできない人も多々いる
寝ながら瞑想してしまう最大のデメリットは、そのまま寝てしまうことである。
僕もあるが寝ながら瞑想していた”つもり”が、気がつけば眠り込んでしまっていた。
この問題を解決するのは簡単で10分や20分のアラームをかけてから瞑想すればいい。
それから、体の力がうまく抜けずにリラックスできないという人には1分で体をリラックスする方法を記事の最後に紹介するので確認してもらえればいいと思う。
【動画】「起きたあと」も「寝る前も」寝ながら瞑想するのにおすすめな方法2つ
寝ながら瞑想するメリットとデメリットを理解したうえで、これから紹介する実際に寝ながら瞑想する方法を読んで欲しい。
なぜならば、「効果を実感できない!」ということがありえるからだ。
それでは、初心者でも簡単に寝て瞑想できる方法を動画で2つを紹介する。
シャバーサナ瞑想(別名:屍のポーズ、亡骸のポーズ、死者のポーズ、ヨガニードラ)
このシャバアーサナ瞑想はとても簡単3ステップできる瞑想方法である。
- 原っぱになたような感覚で大の字になって寝る
- 鼻呼吸&腹式呼吸でゆっくりと呼吸をする
- ひたすら呼吸に集中する
だけである。
ちなみに僕がこのシャバアーサナ(屍のポーズ)で瞑想する時は、
- 朝に体が疲れていて瞑想する気力もない時
- 夜の寝付けない時
どちらも10分もやれば効果抜群で、朝は疲れがびっくりするくらいとれるし、夜は瞑想していることを忘れて、気がつけば寝てしまっている。
初めての方はコチラの記事でシンプルで効果の得やすい方法を紹介している。
マインドフルネス瞑想(ボディースキャン)
「ボディースキャン」は一言で言うと、つま先から頭の天辺まで徐々に意識をむけるだけの瞑想である。
ボディースキャンをやってみると、体に起きている現象をしっかり観察できる。
たとえば意識するだけで、表情が和らいだり、意識しただけで筋肉が緩んだりこわばったりすることを実感できる。
重要なのは体の一部一部を集中して意識をむけるだけなのだが、その結果として全ては自分でコントロールできるものであると気がつくことができる。
体の一部一部をコントロールできるようになってくると、なぜか心もコントロールできることに気がついてくるのだ。
↑わかりやすい方法かつ人気なボディースキャンの方法がこちらのYOUTUBEで確認できるので時間がある時にやってみよう。
40分と長めだが、慣れれば自分でもできるようになる。
寝ながら瞑想する前に脱力するためのおすすめエクササイズ
「横になってもリラックスできない」という人は呼吸の仕方に問題がある可能性がある。
もっと具体的に言えば、体が酸欠であるがゆえに筋肉が硬直してしまっているということだ。
そこで効果的なのが「血流をよくし、体中に酸素がまわるようにしてから瞑想することである。
シンプルに必要なのことは血液を送るポンプの役割を果たしている心臓をしっかり動かしてあげればいい。
もっと簡単に言えば心拍数を上げれば良いのだ。
詳しくはコチラの記事で紹介している↓
その心拍数を1分で効果的に上げてかつ、体中に酸素を送り届けるのに効果的なエクササイズが「無呼吸バーピージャンプ」と「鼻呼吸」の組み合わせである。
なぜ鼻呼吸が必要になってくるかと言うと、口呼吸だと過呼吸にり、酸素が体内にうまく吸収、循環されにくくなるからだ。
やり方は3ステップで簡単
- 息をすべて吐き出す。
- 呼吸を止めてバーピージャンプを苦しくなるまでやる。
- 無呼吸バーピージャンプを止めたら鼻呼吸で息を整える。
(鼻呼吸は鼻で吸って、口で吐いて良い) - 1~3を3セット繰り返す。
だけである。
やったあとに心臓(血流ポンプ)がバクバクして体中に酸素が回っていることがわかる。
そして、筋肉があたたまり、疲れからか体も少しだるくなり自然と力が抜けるようになる。
バーピージャンプのやり方がわからない人は以下の動画がわかりやすいのでやり方をチェックするのにおすすめ。
ちなみに、この無呼吸バーピージャンプはスポーツ科学的にいうと、「高地トレーニング」と同じ効果が得られる方法である。
詳しく知りたい人はこの本を読むと理解できる。
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