自分で言うのもなんだが、僕は頑張るのが好きで、まぁまぁ努力家だと思う。
まぁ、なんで自分で努力家とか言えちゃうのかというと、努力家のデメリット、悪い部分というの身を持って体験しているからだ。
- 食事も忘れて没頭してしまうとか、
(ガリガリに痩せ細ってしまう) - 寝る間を惜しんで頑張るとか、
(不眠症になる) - 不眠状態でも努力で解決しようとしたり、
(体が動かなくなってくる) - 問題にぶつかった時も努力で解決しようとしてしまうとか、
(周りに助けを求められない)
↑集中しすぎると目の前のことしか見えなくなり、最終的には自滅する構図
それでも、
「頑張ればどうにかなる。」
「頑張っていれば報われる。」
「成果を出した人で頑張っていない人はいない。」
「頑張りが足らないから失敗したんだ。」
という言葉をエネルギーにして、さらに負のスパイラルを加速させていってしまう。
でも、努力をして結果がでないのは本当に辛い…
そして、いつのまにか、睡眠障害に襲われ、たまにパニックを起こし、体はガリガリにやせ細ってしまう。
こんな経験を何度もしている。
でもさすがに、同じ経験を繰り返すのはバカだなと思ってきたので、なぜ自分が負のスパイラルに陥っていまうのかを調べてみた。
自分の経験や行動をいろいろな行動心理学、認知心理学、人間のバイオリズムに照らし合わせてみると、面白いほどに一致した。
参考にした本は、最後に紹介している。
そして、僕だけじゃなくて僕よりも優秀な人達でさえも同じような落とし穴に落ちて、自滅するメカニズムにハマってしまうことがあるのだ。
ちなみに、どんな状態でこの落とし穴に落ちていくかというと、タイトルにも書いたように「躁鬱状態」で落ちていく。
こんな感じで↓
ということで、僕のように負のスパイラルにハマり苦しんでいる人の助けになればと思い、体験談をシェアしていく。
- 幸運という名の甘い罠。「認知的不協和 」が発生
- 努力により見えなくなる実力と運「公正世界仮説と確証バイアス」
- 『運』が何度も続き、「成功法則がわかった」と完全に実力と信じ切ってしまう。
- 集中していたものが分散し、伸びなくなる。
- 「ゲームチェンジが起こる」突如として赤字に転落。
- 現状維持バイアスが発動「赤字に転落しても行動を変えられない」
- 【パニックが発動】ありえない選択と行動を続けてするようになる。
- 脳の報酬系が狂う「ナニをやっても満たされなくなる。」
- 思考力が低下し、問題が山積みになってくる。
- 「心理的視野狭窄 × 確証バイアス」で思考が停止する。
- 「最後の手段…」ハイリスク・ハイリターンを選ぶようになる。
- 負のスパイラルから抜け出すにはバイアスを外すことが効果的
- 参考図書
幸運という名の甘い罠。「認知的不協和 」が発生
あなたにもこんな経験をしたことがあるのではないだろうか?
何もかもがうまくいき、自分の能力を超えた幸運を手に入れた経験を。
そして、僕たち人間の脳みそは、「なぜ?幸運を手に入れられたのか?」を勝手に考え出すようになっている。
- いつも頑張っているから。
- 普段の行いがいいから。
- 努力は必ず報われるから。
このようなことを勝手に考えてしまう。
なぜ、幸運が手に入ったか、理由がないと気持ち悪いからだ。
この気持ち悪さを心理学では「認知的不協和」とよぶ。
たとえば、あなたが家を出た瞬間、玄関先に100万円が落ちていたことに気がつく。
するとあなたは、「なぜ、こんなところに100万円が落ちているのだろう?」と勝手に考えてしまうのと同じ現象だ。
家の前に100万円が不自然に落ちていたら気持ち悪いから、その理由を考えずにはいられなくなる。
- 家の近所の人が落としたのかもしれない。
- 近所に強盗が入り、その時に盗んだ100万円を落としていったのかもしれない。
- いや、それは不自然すぎる…もしかしたら自分のかも?
- もしかしたら、ふだん良い行いをしていたので神様がプレゼントしてくれたのかも…
と想像力を働かして色々な理由をだしたくなる。
これは先ほど紹介した、気持ち悪さという「認知的不協和」を解消するためだ。
しかし、ここまでなら、
「もしかしたら、ふだん良い行いをしていたので神様がプレゼントしてくれたのかも…」
なんて都合のいいことを、賢明なあなたは考えないだろう。
しかし、これが不思議なことに、「自分の力で手に入れた。」と思い込んでしまうのだ。
なぜか?
努力により見えなくなる実力と運「公正世界仮説と確証バイアス」
うまく言っている人は「実力と運」を兼ね備えている。
という方程式で表されることも度々あるほどだ。
「実力だけで成功した。」という人はいなく、運が良かったと多くの人が述べていることからもわかる。
しかし、寝る時間を惜しんでまで、やりたいことを我慢してまで頑張っていると、「努力したから成功できた。」となってしまう。
そこには、間違いなく「運」の要素もあるのだが、「努力したのだから当然だ」と思い込んでしまうのである。
そうなってしまうのには2つ代表的なバイアスがある。
公正世界仮説(こうせいせかいかせつ)で努力を正当化してしまう。
公正世界仮説とは「人間の行いには、公平な結果が返ってくる」と思い込んでしまうバイアスである。
これは僕がハマっていたバイアスで、正義感が強かったり、王道を信じてしまう人がはまりやすいバイアスだと思う。
よくあるのが
「努力は必ず報われる。」
「正義は必ず勝つ。」
や
「普段の行いが悪いから財布を落とした。」
「あなたの今が不幸なのは前世の行いが悪かったから。」
という言葉がその例としてあげられる。
因果応報やカルマという言葉でもよく表せられる。
日本では特に昔話である「舌切雀」や「おむすびコロリン」などで、『優しくした爺さんには褒美が与えられ、意地悪なことをした爺さんにはバチが当たる。』ということが植え付けられている。
このように、僕たちは昔から、「教訓」や「美徳」として、
「良い行いをすればいい結果が返ってくる。」
「世界は公平であるべきだ。」
「努力している人は報われる。」
という世界観で生きている人が多い。
うまくいった理由を「実力」と捏造してしまう【確証バイアス】
確証バイアスとは、自分の信念や心情が邪魔をして、信念に都合のいい理屈のみを集めて論理的思考・解釈をしてしまうバイアスだ。
キリスト教を例にすると、信仰しているから神がいると解釈し、信仰していないから神がいないと解釈してしまう。
僕の例をあげると、「努力なしに成功しない」、「成功している人はみな努力している」という信念・心情を持っていたので、努力こそが成功の条件であるように捉えてしまっていた。
つまり、努力しないで成功する方法が見えなくなってしまったのだ。
しかし、広い世界を見渡せば、努力せずに成功している人はたくさんいる。
お金持ちと結婚することで資産家になったり、または資産家に養子縁組をくんでもらうことで働かなくていいほどの大金を手に入れている人もいる。
歴史をみれば策略結婚・政略結婚によって国をとったり、莫大な富を築いたりした偉人はたくさんいる。
努力に執着している人ほど、「そんなの成功ではない。」、「それはズルだ。」と言い訳する人もいる。
でも、この言い訳こそが、そうした事実があることを認められない証拠でもある。(信念・心情に合わないのだから拒否されて当然なのだが…)
このように「成功には努力が不可欠」という信念をもってしまうと、確証バイアスにより、努力しなくても成功できるという事実が見えなくなってしまう。
また確証バイアスには、自分に都合の悪い情報を排除して論理を組み立てる性質もある。
例えば、さっき玄関先に100万円が落ちていた「運」のような、なぜ起きたかわからない現象があなたに起きたとする。
すると、勝手に「努力を神様が見てくれていたから」、「これは神様のご褒美」、「努力すれば幸運の女神が誰にでも微笑む」というようにも解釈できてしまう。
ふだん、神様なんて信じていないのにも関わらず。。。
自分がどれだけ頑張ったか、どんなやり方については説明できるが、運については説明ができないからこうなってしまう。
さらに「運の要素」を説明してしまうと不確実性が高くなり、再現性が低くなってしまう。
論理的に自分の成功法則を説明するときにはどうしても運の要素は邪魔になってしまうので、都合が悪くなりいつのまにか排除してしまうのだ。
それから、さきほどの公正世界仮説ともつながっているのだが、「あなたは頑張っていたから成功するのは当たり前だよ。」と、よく言われるようになる。
それに対して「いや運がよかっただけです。」と謙虚に言っても、「運も実力の内だよ。」と返されるのがテンプレとなっている。
こうなってくると、最初は「運が良かったから」と思っていたとしても、徐々に「実力だ。」と思い込み始める。
むしろ、この先もうまくやっていかないといけないから、「運で成功したのでは困る」という恐怖にも襲われるようになる、。
すると、次のように運を「ムリヤリ」実力だと思いこんでしまう。
『運』が何度も続き、「成功法則がわかった」と完全に実力と信じ切ってしまう。
1度うまくいった方法が、2度目も3度目もうまくいくと、「お、これは成功法則を理解したぞ。」と思い込んでしまう。
このように、自分が発見した規則性や成功法則「代表性バイアス」と呼ぶ。
実際は、運やタイミングなどの前提条件があり、ランダム性があるにもかかわらず規則性を見つけてしまうバイアスである。
これはギャンブラーの憂鬱という例がわかりやすい。
例えば、表が赤で、裏が黒のコインがあるとする。
コイントスを17回した結果、以下のような結果になった。
黒が3回でると次に赤が2回出て、また黒が3回続けてでるという規則的な現象が3回続いている。
しかも、黒がまた2回連続している。
こうなると多くのギャンブラーは「規則性がある」と思い込んで黒にかけてしまういたくなる。
しかし、確率を計算してみれば、黒が出る確率は50%、赤が出る確率は50%である。
それにもかかわらず、規則性を見つけたと勘違いしてしまうのだ。
そして、らさにそこに「自信過剰バイアス」が働く。
文字通り自信過剰になるバイアスだ。
「周りには見えていない成功法則を自分は知っている。努力してやっと身につけることができた!」
となってしまってうのだ。
もうわかるだろうが、こうなっていくとリスクについて無頓着になってくる。
そして、それ以上に大きな爆弾を抱えることになる。
集中していたものが分散し、伸びなくなる。
そして、僕が落ちた落とし穴が縦に成長をしようとするのではなく、横に展開しようとして収益を伸ばそうとしてしまった。
集中と選択によって成果を出していたのに、この部分を無視しだす。
そして、これは多くの会社が規模を拡大しようとする時に落ちる落とし穴でもある。
規模を拡大しようとする理由はいろいろあるが、僕の場合は
- 収益をもっと効率よくアゲたい。
- もう1つの中核事業をつくりリスクを分散させたい。
という2つがあった。
1つの事業がうまくいくと、もう1つの事業が欲しくなる。
例えば、こんな話も効いたことはないだろうか?
「収益を2倍にしたかったら、同じことをもう1度やれば2倍になる。」
1つがダメになっても、もう1つが生き残っていれば収入を得続けることができるし、なにより収入が2倍になるので、とても魅力的な助言に聞こえてしまう。
しかし、現状としては、主力産業を伸ばしつつ、もう1つ同じことをしようとするには2倍のリソースが必要になる。
だからこそ、もう1回同じことをしても成果を出すまでに、思っている以上の時間がかかってしまう。
そして、主力産業の改善を怠りはじめるので、ライバルとの差がドンドン縮んでいく。
「ゲームチェンジが起こる」突如として赤字に転落。
「ゲームチェンジ」とは、今までの流行や技術、そして法律が代わり、今までの技術やルールが全く通用しなくなる状態のことを言う。
僕もこの「ゲームチェンジ」を何度か経験しているが、これがおこると、収益は一気に落ちる。徐々にではない。
例えば、こんなことを経験した。
- 為替のトレンドが急激に変わり1日で600万円の損失を出す。
- ライバルによって市場を取られて収益が1/3になる。
- 流行が終わり収益が1/10に落ちる。
- 社会が変わり収益がほぼ0になる。
などなど。
(ちなみに、このゲームチェンジは新規参入者にとってはチャンスでもある。このことについては後で話をしたい。)
また、身近な話で言えば、
- 近所のスーパーやショッピングモールが大手のショッピングモールができたことでシャッター街になる。
- ネットショップの出現により、実店舗での経営では赤字になってしまう。
そして、今回2020年に起きた、コロナ不況による影響さえも同じことが言える。
まちがいなく飲食店にとっては苦しい状況になったと思う。
しかし、飲食店という同じ業務形態をしているのにもかかわらず、コロナの影響であっても、過去最高利益を出したり、店舗数を増やしている人たちもいる。
生き残るには変化に適応できる能力や、変化しても変わらず価値を提供し続けられるに成長していないといけない。
現状維持バイアスが発動「赤字に転落しても行動を変えられない」
そして、赤字になっても行動をすぐには変えられるわけでもない。
なぜなら、
「原因がはっきりしていないのに、安易に動くのは逆にリスクが高いんじゃないか?」
と思い込んでしまうからである。
理由はいくつかあり、
- 自分のやり方は間違っていないはずだ。(自信過剰バイアス)
- この赤字は一時的だろう。(正常性バイアス)
- 赤字になったけど、まだ貯蓄があるので大丈夫。(現状維持バイアス)
という行動を取ってしまうからだ。
一番の原因は「ニセモノの成功法則」を信じ切ってしまい自信過剰になってしまっている部分なのだが、本当の怖さは「正常性バイアス」である。
というのも正常性バイアスには自分にとって都合の悪いリスクを全て排除(もしくは過小評価)してしまう特徴があり、起きている状況を正確に判断できなくなる。
そして、現状維持バイアスという「今の状況を保ちたい。」(生活水準を下げたくない。できる自分のままでいたい。)という心理機能が働き、問題と向き合うことを放置してしまう。
【パニックが発動】ありえない選択と行動を続けてするようになる。
赤字になっても、しばらくは現状維持バイアスや正常性バイアスが働いて、さいしょのうちは「様子をみながら改善しよう」ということになる。
しかし、様子をみても、多少の修正を加えても、業績はまったくよくならない。
なぜなら、これらは全てゲームチェンジによって、今までの成功法則が機能しなくなっているからだ。
この状態になり、ようやく「取り返しのつかない状況にいる」と現状を認識できるようになる。
そして、そこからやってくるのは「パニック」だ。
人間はパニックに陥ると、普段はとらないようなバカな選択や行動をするようになってしまう。
これは、頭がいいとか、わるいとか自制心があるとか、ないとかそういうことではない。
パニックはどんな優秀な人にもおこりうる。
これは人間の脳には生命を維持するための「アラーム構造」というものがあり、これが働いて自律神経による突発的な行動をとってしまうことになるからだ。
簡単に言えば、人間に備わった反射機能(本能)でもあるので、パニックを起こさないということのほうが難しくなる。
例えば、僕の知り合いに飛行機のパイロットがいる。
1回の飛行で200人もの命をあずかるパイロットは、パニックにならないように訓練するのではなくて、パニックになることを前提にして、いかに早くパニックから回復するかということをトレーニングしているらしい。
他にも身近な例で言えば、目の前に巨大なスズメバチがあなたの目の前に飛んできたとき。
スズメバチはアナフィラキシーショックを起こして最悪の場合い死ぬ可能性もある。
そうすると、いきなり心臓がバクバクしだして体が硬直する。(ナニをしていいかわからなくなる。)
パニックがさらに増加すると、体が勝手に身を守ろうとして、反射的に手で追い払ってしまったりもする。
しかし、こうした行動はスズメバチに敵だと認定されてしまい、攻撃される対象となってしまう可能性が高くなる。
なにもしなければ、攻撃されることはまずないのだが、恐怖から体が反射してしまい、もっと悪い状況にしてしまう行動をたまにとる。
これは例であるが、このような状況になってしまう。
そして、パニックは肉体だけではなくて思考にも訪れる。
あなたも、こんな人を見たことがあるかもしれない。
- 借金を返済するために、また借金をしようとしている。
- ギャンブルでできた借金をギャンブルで返そうとしている。
- ありえないような投資話をしている。
- 有り得そうもない話を信じてしまうようになる。
そんなことやっていたら、「ますます悪い方向にいってしまうだけだ。」と客観的にみるとわかるのだが、当の本人は自分の判断の判断が一番正しいと強く信じこむようになってくる。
思考がパニックを起こして、論理的、合理的な考え方ができなくなる。
もちろん、ことごとく失敗する。
脳の報酬系が狂う「ナニをやっても満たされなくなる。」
このころになると精神的にも肉体的にも健康を損なうようになってくる。
どういう状態かというと、常に心臓がバクバクしている状態になり、たまに乗り物酔いをした時のような吐き気に近いようなものを感じるようになる。
日常的にパニックを起こしている状態といっていいかもしれない。
ようは精神的にも肉体的にもメチャクチャ不安定な状態になっている。
つらい、、、、とても辛い。
生き地獄というのは、このことかと思う。
それから感情も自然とイライラしてしまうので、それが広がり近い人ほど人間関係も悪くなる。
自信もなくなる。
仲良かった人との関係も悪くなる。
そして、お金はますます減っていく…
次第にストレスがたまり
- 睡眠不足や不眠症。
- ベッドから起きるのが辛くなる。
- 食事が喉を通らなくなる。
といったことが僕の体には起きるようになっていた。
もちろんこんな状況で仕事に集中することなんてできない。
想像力に満ちた画期的な解決方法や、難し局面を乗り越えられるような計画をこんな環境で作れるわけがないのだ。
案の定、仕事をしようと思ってもまずイスに座ってられない。
パソコンを開いたところで、頭が沸騰するほどイライラしてくる。(打開できない状況と自分の脳力の至らなさについて…)
↑気がつけば貧乏ゆすりをして気分も行動も落ち着かなくなっている。
そして、すぐにスマホに手が伸びたり、YOUTUBEを開いてしまうのだ。
別に見たい欲求があるわけではない。
ただ単に仕事が苦痛で苦痛で、どうしても逃げたくなってしまうのだ。
脳がストレスに耐えられなくなり、「行動嗜癖」という以下のようなストレス解消する行動をとるようになる。
- スマホをいじってしまったり
- 甘いものを食べたくなってしまったり、
- 脂っこい食べ物を食べたくなったり、
- アルコールやタバコが欲しくなったり、
- または性欲を満たそうとする。
行動嗜癖を取ると脳内でドーパミンが分泌されて気持ちよくなるからだ。
ちなみに、スマホのゲームやギャンブルによる快感は、にSEX中のオーガズムに匹敵するほどという報告もある。
こうした、今すぐ自分を満たしてくれる快適刺激に対して依存しだすので、時間が浪費され、さらに問題は深刻化していく。
思考力が低下し、問題が山積みになってくる。
「行動嗜癖」にハマると時間が浪費され、自制心をドンドン失う方向へとことがすすんでいく。
問題解決しなければいけないのに、ストレスから行動嗜癖にはまってしまう。
すると時間が浪費されるので処理できない問題が、徐々に積もってくる。
すると、どういうことが起こるかと言うと1週間後、1ヶ月後にある期限が直前にならないと気がつけなくなるのだ。
↑眼の前しか見えずに足元が見えていない。
全てのことに対して、場当たり的な行動しかとれなくなり、ミスも増えてくる。
さらに思いがけない問題が発生する。
- パソコンが故障してデータが消える。
- 自動引落にしていたクレジットカードが更新されず契約が自動解約になってしまっている。
- 親戚が死んで葬式にいかないといけなくなる。
- 放置しておいた虫歯が神経まで到達して手術が必要になる。
など、想定外の予定がドンドン発生し(余裕があれば怒らなかった)、どんどん身動きがとれない状況になっていく。
そうなると、睡眠時間や食事する時間がますます削られていくことになる。
借金をしていると最悪だ、元金を返済できないでいると、複利で増えていくので、時間が経てば立つほど借金が膨らんでいく。
こうなると常に緊急事態となりパニックしている状態が日常となってしまう。
「今は未来の心配をしている場合ではない、とりあえず目の前の問題を解決しなければ」
となってしまう。
ただ単に問題の数が増えるので、脳の処理が追いつかなくなる。
行動力が低下し、認知力が低下、リスクある行動を制御する機能が弱くなる。
そして最終的には、次のようになる。
「心理的視野狭窄 × 確証バイアス」で思考が停止する。
思考が働かなくなると、僕たちはその日を生きることに必死になり、未来のことを考えられなくなる。
まるで真っ暗なトンネルの中にいるように足元しか見えない状態だ。
この状態を「心理的視野狭窄」という。
心理的視野狭窄のわかりやすい特徴は「これしか方法がない」と考えるようになり、一か八かで今までの損失を取り戻そうという発想になってしまうことだ。
- これで成功している人がいる。
- ○○という大企業も投資している。
- ○○さんという人がこんな話をしている。
- 今までの経験が役に立つ。
というような、有力な情報のみを集めて成功の論理をたてる。コレは最初に紹介した「確証バイアス」が一緒にに働いてくる。
徹底的に調べた。
自分は正しい。
これでうまく行かなかったら仕方ない。
という心理状況になり、大きなリスクが見えなくなる。
というよりも、今の生活が苦しいので、これ以上苦しくなっても同じだと考えてしまうようになる。
心理的視野狭窄が起きているせいでさらに視野は狭くなり、確証バイアスへの落とし穴が見えなくなっている。
↑この状態は躁鬱状態の「躁」の状態であり、やっと掴んだ希望がエネルギーとなり大胆な行動もできてしまうようになる。
そして、こんな煽り文句が響くようになってくる。
「これでダメなら、もう諦めたほうがいい!バカでもできる投資方法。」
「普通の主婦でも月100万稼いだ方法」
「プロギャンブラーが教える100%ポーカーに勝つ方法」
僕も後で気がついたのだが、よくわからないこんな本を当時買っていて驚いた。
わかるだろうか?
よく考えれば、金持ちになれる方法は1つではないし、その方法が自分にあっているのかどうかもわからない。
それなのに、「コレでダメなら…」という考え方になってしまっているのだ。
まさに心理的視野狭窄に陥り、思考は完全に停止してしまっている状態だ。
「最後の手段…」ハイリスク・ハイリターンを選ぶようになる。
お金が徐々に減り、自分のやっていることがうまくいかなくなると、他の事業に切り替えようという考えになっていた。
これは、悪いことではないのだが、「最初から大きな資本を入れて、大きくリターンを取る」という思考にハマってしまっているところに大きな落とし穴がある。
新規の事業はうまくいくかわからない「不確実性」というのをもっている。
だからこそ、小さな資本で初めて徐々に拡大させていくというのが、成功法則だ。
しかし、僕の場合は過去に月80万ほどの利益をだしていたからこそ、最初から大きなリターンが入ってくることが前提となってしまっていた。
「残る資金が少なくなってきており、これ以上資金が少なくなる前に、しっかり利益を取れるようにしなければ。これだけ資金があれば、まだ間に合う。」
という頭になっていた。
思い出してほしいのは、成果はスキルだけではなく運の要素もある。
特に新規事業でスキルが無い場合、運の要素が大きくなるので、大きな資本で入るのはリスクが大きすぎる。
↓結果は…というと以下の記事に書いた通り。
ということで、幸運にも僕は、このギャンブル的な一発逆転な賭けをやらずにすんだ。
これで失敗してしまうと資本が0になったり、借金をすることになり、負のスパイラルがもっと深刻なものになっていったはずだ。
例えば、最近の事例だと大塚家具がとてもわかりやすい。
2000年には株価が15000円だったがその後失速し、2020年の株価は184円と暴落している。
2009年に赤字に転ずると娘の久美子前社長が就任。
業績が悪化したと思われているが、それ以前から株価は落ちていた。
一時、内輪揉めがあり解任されたが2017年に再就任。方向性を一転させようとするが、株価はますます下がっていった。
話は少しことなるが、大塚家具だけではなくて、東芝やシャープについても結果としては同じことが言える。
個人とはちがって、大きな企業は大きすぎるがゆえに方向転換することが難しくなる。
さらに市場が大きいので小さなミスでも莫大な赤字を出してしまう。
負のスパイラルから抜け出すにはバイアスを外すことが効果的
最後は大企業の説明に置き換えてしまったので他人事に聞こえるかもしれないが、目的は優秀な人でも失敗をするということだ。
話を個人に戻すと、失敗に入るサイクルの入り口はバイアスにより現実が見えなくなってしまうところにある。
そして、そのバイアスがきっかけで、虚構を事実だと思って進んでしまう。
そして虚構だと気がついた時には、事実を受け入れることに脳の処理がついてくることができず、ミスや問題を多発させてしまう。
ということで、話は長くなったが、重要なのは自分の「勘違い」を起こしていいるバイアスを外すことだ。
じゃあ、どうやってバイアスをはずせるのかと言うと↓
バイアスを外す方法は色々あると思うが、お金をかけず1日10分続けるだけでバイアスを外すことができた。
それがヴィパッサナー瞑想という瞑想方法だ。
詳しくは以下の記事に書いてある。
ただ、もしかしたら難しくて挫折する人がおおいかもしれない。
そうした場合はサマタ瞑想や僕が瞑想を習慣化した方法を参考にしてみてほしい。
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