ラマダンだからといって、別に断食や禁欲を破ったところで、なにか懲罰があるわけではない。
だから我慢ができなければ、食べてもいいし、タバコを吸っても、なんてことはない。
でもやっぱりラマダンということで戒律を破ることに自己嫌悪を感じるのだろう。
我慢できれば隠れて一人で食べればいいし、タバコを吸えばいいのだが、やっぱり自分だけ戒律を破ることには耐えられないのだろう。
先日のブログでも紹介したパプア系インドネシア人のBOBがタバコを持ってやってきた。
昨日も初っ端、「タバコが吸えないのが辛い…」と嘆いていたので、ラマダン2日目にしてやっぱり、禁煙が辛くなってきたのだろう。
僕はタバコはべつにあってもよくてもいい派なので、別に困らないが、やっぱりタバコを毎日吸っている人にとっては1日の禁煙もツライのはよくわかる。
BOBは、タバコを吸い始めるわけでもなく、ここで働いているインドネシアローカルのKaraziiと一緒に話をしている。
するとKaraziiがキッチンからマグカップを3つ持ってきた。
顔はいつもどおり笑顔で「しんたろう、コーヒー飲む?」なんて話を振ってくる。
ラマダン中に「コーヒー飲む?」なんて、さそわれるとは思ってなかったので驚いた。
どういうことなのか一瞬、頭がこんがらがったが、どうやらこれは、日本でいう「マラソン大会、一緒に走ろうね。」のように「一緒に妥協しようぜ!」ということなのだろう。
自分だけ戒律を破るのは忍びないので、誰かも道連れにしようということなのだと思う。
自分で言うのもなんだが日本人は、世界的にみれば忍耐力があり、インドネシア人の忍耐力はあまりないほうだろう。
だからこそ、ラマダン中の「コーヒー飲まない?」という誘いになんとなくほっこりしてしまった。
とはいっても、ラマダンは最初の1週間が誘惑も多くて大変らしい。
2日目にして我慢できなくなってしまっても、3日目から戻せば問題ない。
まわりの人がこれからどうやって過ごすのか、ちょっと興味深いので観察してみようと思う。
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