瞑想中に意識がなくなる状態、つまり集中状態に入るコツはいたって簡単である。
結論からすれば、感覚を実況中継すればいい。
ナニも知らずにこのことを聞いたら、「なんだよそのへんな自己流を教えんなよ!」と思う人もいると思うので、これは「ヴィパッサナー瞑想の基本だよ。」ということも踏まえて説明していきたい。
そもそも『意識』ってナニ?
そもそも「意識」という言葉じたいが多義的であり、人によって
- 意識とは考えることだよ。
- 意識は感じることだよ。
- 意識は脳の中にある情報だよ。
と、解釈がわかれてしまう。
なので、ここでは仏教における意識:名(みょう、ナーマ)といわれる精神面、心理的な要素として捉える。
もっと簡単にいえば、意識とは脳みそが作りだすもので、それに関連するものは全て意識といえる。
具体的に言えば、知識、感情、予想などだ。
なので、意識のない状態を一言で言えば、「自分の考えをなくした状態」といえる。
そもそも雑念は「知識・感情・予想」から出てくる?
「知識を捨てる」と言われると、じゃあ勉強しなくていいの?バカになれというのか!?」という人が出てきそうだが、そうじゃない。
知識を捨てるというのは「自分の考えに囚われない」ということであり、自分だけの知識を前提にしてものごとを考えたり、推測(邪推)しないということだ。
自分だけの知識に囚われてしまうから、解決方法がみつからなかったり、自分の常識に縛られてしまうから新しいことに挑戦できず行き詰まってしまう。
感情や想像についても同じことが言えて、感情に任せて行動している人は他人を傷つけやすいし、間違った想像は妄想でしか無く、間違えの種ともなってしまう。
雑念を消すことで「失敗するリスク」を自ら減らすことができる。
雑念が出てくる原因は2つ
瞑想した時に出てくる雑念を分析してみると2つの原因にわけることができた。
悪者にされがちな雑念だが、そもそも雑念は悪いものばかりではないので、コレを知って雑念を受け止めることができると問題の糸口が見つかったりする。
疲れている時
日常で脳が疲れてくると、被害妄想や嫉妬心に駆られやすくなる。
その結果として、日常的に誰かに対して嫌悪感を感じるようになったり(特に身近な家族や同僚)、自分より幸せそうな人に嫉妬をいだくことがよくある。
「自分は不幸な人間だ。」とついつい悩み込んでしまうのも、疲れているときだ。
瞑想している時に、この状態にはまってしまうと「悩みの渦」に巻き込まれて、ドンドン辛くなってしまう。
リラックスしている時
リラックスしていると脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が優位になり、脳が情報の整理をして様々な想像力を発揮する。
例えば夢を見ているときもデフォルト・モード・ネットワークが優位になている状態であり、過去の記憶を勝手に組み立てて現実では起こっていないこと(空を飛んだり、)をまるで体験しているような錯覚を起こす。
特にデフォルト・モード・ネットワークが優位になっている時は、「今日のご飯をどうしよう。」、「早く家に帰りたい。」など未来について考える習性があるそうだ。
特にこれを感じるのは瞑想中に、いままで抱えていた問題を解決するような画期的なアイデアが出てくる時だ。
なので雑念は常に悪いものであるとは限らない。
ただ、雑念が出てくれば出てくるほどいい!というわけではやはりない。
意識が分散するとミスが3倍に増える。
人間の脳は1つのことしか情報を処理できないようにできている。
ヴィパッサナー瞑想をしていれば、そのことに気がつく。
また最新の科学でも脳は常にシングルタスクというのが定説になっている。
厳密に言うと2つ以上のタスクを同時にこなすことはできるのだが、マルチタスクをした場合、ミスが3倍以上に増える。という結果が出ている。
ようは、マルチタスクをすると集中力が分散して、失敗する割合が激増するのだ。
「あれもこれも」という状態はやっぱりよくない。
雑念を消すには「感覚を実況中継するだけ」でいい理由。
雑念を消すのは実はとても簡単で「自分の感覚」に集中して、現実を感じ続けることだ。
例えば音が聞こえたら
「音がする。音がする。音がする。」
と音が消えるまで実況中継する。
するといきなり他の感覚にふれる。
例えば風が自分の体に当たっているのがわかる。
そんな時は
「風が吹いている。風が吹いている。風が吹いている。」
という風に実況中継する。
感覚は常に自分の脳の外の情報なので、うるさいとか、いい音とか臭いとか判断せずに「ありのままをそのまま唱えること」が重要だ。
判断した途端にそれは意識になってしまう。
シングルタスクの観点から言えば「感覚」に集中するので、他のことができなくなってしまうというのもある。
詳しくは以下の記事でやり方を説明してる。
「集中→雑念→集中→雑念→集中…」の繰り返し
「雑念を消すには実況中継をすればいいのか!簡単じゃん!」と思って実際にやってみると、雑念が消えていくことに気がつく。
でも雑念は、ふたたび発生してしまう。
これは脳を掘り起こし整理しているというので当たり前といえば当たり前なのだが、雑念にハマっている最中はそれに気が付けない。
(悩むと悩みの連鎖にハマってしまうのと一緒)
さらに、そもそも「人間の集中力」というのは、そんなに長く続かない。
集中して続けると疲れてしまい、意識がどうしても「楽」な方に流れてしまうからだ。
なので、そこで重要になってくるのは、「雑念にそれた」と気がついた時点で、また実況中継に戻すことだ。
詳しいやり方は以下のヴィパッサナー瞑想の記事で紹介している。
【まとめ】意識は1つのことに集中することによって消せる
ここで説明したように、または誰でも体験したことあるように人間は1つのことに集中していると余分な考えを捨てられる。
皿洗いをしている時、筋トレをしているとき、運動をしているとき、難しい問題を集中して説いている時、などナニかに集中していると雑念はきえていく。
思い出すことすら難しくなる。
なので瞑想で「感覚に集中して実況中継」をすると意識を消すことはできる。
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