ある日の朝、いつもどおりモーニングルーティンのヴィパッサナー瞑想をしていた時に感じたのが「ヴィパッサナー瞑想は五感を鍛えるのに良い」ということだ。
個人ブログじゃなくて、もっとしっかりした人の話を聞きたければ以下の本がおすすめ↓
ここでは自分の体験とこの本に書いてあることを交えて、なぜ「ヴィパッサナー瞑想は五感を鍛えるのに良いのか?」ついて、書いていきたい。
「感覚」は自分の思い込みであることに気がつける
「あのひとは良い人!」とか、悪い人!とか、カッコいいとか、かっこ悪いとか――。
これらは全て自分の感覚だけの話であり、もっと言えば思い込みでしかない。
つまり、それってあなたの感想ですよね。
ということだ。
例えば、女性なら誰もが憧れるダイアモンドの指輪。
光に当てるとキラキラと輝くダイアモンドをみて誰しもが「キレイだなぁ〜」とウットリするだろう。
しかし、次の話をしれば、どうみてもキレイなダイアモンドに嫌悪感をいだくかもしれない。
ダイアモンドの生産量が世界の65%を占めるアフリカでは、発掘したダイアモンドは戦争の武器に換金されていることが問題になっている。
簡単に言うとアフリカ内ではダイアモンドがきっかけで
- 700万人もの戦死者を出しており
- 150万人以上の鉱夫が水銀を使用した劣悪な環境で働いている。
これは2020年の情報だが2022年の現在も変わっていないだろう。
2007年に公開されたレオナルド・ディカプリオ主演の「ブラッド・ダイヤモンド」は実話をもとに作られた作品なので、観てみるとどのくらいダイアモンドが汚いかがわかる。
どうだろうか?キラキラ輝くダイアモンドが700万人も殺している資金源になっていると知ったら。
このように「キレイ」とか「良くない」というのは、自分の感覚であり、思い込みが変わればチョクチョク変わる。
なぜ、ヴィパッサナー瞑想で五感(センス)が磨かれる?
なぜヴィパッサナー瞑想で五感が磨けるかというと、ヴィパッサナー瞑想は「自分の感覚を追っていく瞑想」であり、自分の感覚を追っていくことで、
「自分の感覚が狂っていること」に気がつけたり、「主観をなくすこと」によって新しい感覚を身につけることができるからだ。
ちなみにヴィパッサナー瞑想は釈迦が悟りを開いた瞑想としても有名で、「事実」と「感覚」を分けたり、人間が抱えている欲望や嫉妬、妄想などの煩悩を外していく効果もある。
ヴィパッサナー瞑想については以下の記事で詳しく説明しているので詳しくはこちらから↓
「キレイ」も「美味しい」という感覚はぜんぶ思い込み?
一流とそうじゃないものの違いを見分ける「芸能人の格付けチェック」でのGacktさんと倖田來未さんの裏話がやっぱり面白い。
食べ物1つに関しても美味しいから「一流」と味覚だけで選んでいるわけではない。
美味しいから高級食材じゃないとか、まずいから格安食材とかそういうわけではないことがわかる。
五感を通して与えられた課題を分析していることがわかる。
事実と感覚は違うし、感覚はすべて解釈しだい。
さきほどの話のように、
美味しいから一流。
キレイだから一流。
というのは全て思い込みであり解釈にすぎない。
最初のように、ダイアモンドを例に出して言えば、キレイだから高いのではなく希少価値が高いから値段が高いのだ。
またダイアモンドが大量虐殺の資金源になっていると知れば、ダイアモンドを欲望にまみれた呪われた石と考える人もいる。
事実としてのダイアモンドは「地球上にあまり存在しない世界で2番めに硬度の高い炭素の結晶」というだけだ。(ちなみに世界で1番硬い炭素の結晶はロンズデーライトという石らしい。)
このようにダイアモンドが「キレイ」というのは全て人間が後からつけた解釈にすぎない。
昭和生まれの人ならわかると思うが、
勉強していい大学に行って、いい企業に就職すればたくさんお金がもらえて幸せになれる。
というようなバブル時期に作られた「神話」も、子供が勉強するための大人の無理やりなこじつけでしかないことがわかる。
蛙はかわいいか、気持ち悪いか
そしてもう一つ、最初に紹介した本で紹介されている「蛙はかわいいか、気持ち悪いか」という部分がとてもわかり易かったので紹介しておく。
結論からいうと、カエルがかわいいか、気持ち悪いかは、個人の都合次第ということだ。
例えば、「カエルを食べるのは野蛮な人」と思い込んでいる人にはカエルは気持ち悪いと思うだろう。
しかし、フランス料理で高級料理として扱われていることを知っているシェフであれば、「美味しそうなカエル」となってしまうのだ。
ちなみに、あなたは蛙をかわいいと見るだろうか?それとも気持ち悪いと考えるだろうか?
ちなみに僕の元彼女はカエルというか爬虫類が好きで、僕は気持ち悪いと思っていた。
しかし、彼女からするとカエルや爬虫類の目は宝石みたいにキレイでかわいいという言い分だった。
かわいそうなのはライオン?それともシカ?
アフリカの動物を追ったドキュメンタリーを見ていると、よくライオンが狩りをする様子をみることができる。
この動画を複数でみると必ず意見が分かれる。
「食べられたシカが可愛そう。」
「お腹をすかせたライオンの群れがご飯を食べられてよかった。」
の2つである。
同じ動画なのに、見る人によって解釈は分かれる。
でも結論は「どちらかが生き残り、どちらかが死ぬ」というだけでだ。
ライオンに感情移入するか、シカに感情移入するかによって「嬉しい」と「悲しい」のどちらかを得ることになるだけで、どちらが正しいとかはない。
重要なのはものごとを捉えるときは、基本的に自分の都合がいいように解釈していると気がつけることだ。
自分の正義や価値観はなかなか捨てられない
子供の思考は柔軟で、歳をとるごとに頭が固くなってくる、というのは年配者であればあるほど実感するものだと思う。
自分の成功体験や失敗から「これは正しい」、「これは間違っている」という定義付けをしてしまうからだ。
失敗したくないからこそ、その今までの経験から自分が決めた定義やルールから外れることができなくなる。
するとドンドン主観がつよくなり、自分の意見以外を受け入れられなくなってしまう。
受け入れると失敗するリスクを上げることにもなるし、なによりも自分が長年積み上げてきた「自信」を失うことにもつながるからだ。
でもこのような主観が強くなってしまうと、自分が拾えきれていない感覚を見落とすことになってしまう。
主観を捨てれば、もっと感覚が豊かになり、するどくなる
なので主観を捨てていく必要がある。
自分の体験や経験はもちろん大切なのだが、他の人の意見や経験も同じくらい大切だ。
いろいろな人の視点にたつことができるからこそ、いろいろな感覚に触れることができる。
さらに人の視点だけではなくカエルの視点やライオンの視点、シカの視点に目を向けると、いろいろな自然現象や自然の摂理も見えてくる。
主観を捨てた新しい感覚は、常に新鮮であり、かつ自分の偏った感覚を修正してくれる。
ただ、普通に視生活しているのでは主観を捨てるのは難しい。
だから主観を捨てるための瞑想であるヴィパッサナー瞑想がおすすめとなる。
【まとめ】だからヴィパッサナー瞑想は五感を鍛えるのにおすすめ
ヴィパッサナー瞑想については、いろいろな本やブログがあるのでそれを網羅的にみるといいと思う。
ただもうすでに廃盤になってしまった本もある。特に僕がヴィパッサナー瞑想を理解したり実践するのに使ったサンガ出版のこの本↓
この本の内容を踏まえたヴィパッサナー瞑想の体験記は以下の記事で紹介しているので、情報を網羅したい人はこちらから↓
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